ケーススタディで徹底分析
売れるデザインを学ぶ!
ひとくちにWebショップといっても、その店構えは千差万別。販売商品やサービス内容、お店の規模などにより、さまざまに異なるものです。また、単にきれいなだけではなく「目的を果たすデザイン」でなければなりません。そこで、架空のWebショップ2店を想定し、アクセス数と売り上げを確実に向上させる Webデザインを、多数のホームページ制作で実績のある株式会社ペンシルの代表・覚田義明さんにディレクションしてもらいました。
Case1 個人経営のアクセサリーショップ
コンセプト
従業員がひとり、または2〜3人のごく小規模なWebショップのケースとして、直輪入のアクセサリーショップを想定しました。
旅行好きのオーナーが旅行の際に現地で買ったアクセサリーを、自分の趣味と実益を兼ねて販売するアクセサリーショップです。在庫を大量に確保するスペースもありません。また、品数を増やして手広く受注管理するほどの規模でもありません。オーナーがお気に入りのインディアンジュエリーを厳選して販売するタイプのお店です。
覚田さん:オンラインショッピングに関するアンケートで、「オンラインショップを利用しない理由」に、本当に商品が届くのか、お店を信用できるのか、商品の質が本当によいか、といった不安を挙げる人が多数いました。個人運営のWebショップの場合、店の規模が小さく、知名度もないので、よい商品を扱っていてもなかなかお客さんに信用してもらえません。そこで、商品をアピールするよりもまず、「この人から買うなら安心だ」とお客さんに思わせることが大切です。
商品への思い入れをトップページで説明ガラス張りの店構えは外からでも店の雰囲気がわかるので、気軽に入りやすいものです。Webショップでも基本は同じ。トップページには店の雰囲気や傾向を知ってもらう工夫が必要です。この例では、重要な情報をトップぺ一ジに載せました。アクセサリに対する愛着やオーナーのこだわりが、見ればわかるようになっています。
覚田さん:トップページにオーナーの顔写真を掲載し、そこに簡単な自己紹介を書いています。このお店は、オーナーが自分の目で確かめてアメリカで買い付けたインディアンジュエリーを扱っている想定なので、オーナーの好みやショップの姿勢をはっきり書いておくといいでしょう。ページを訪れた人がこの店、あるいはオーナーの考えやコンセプトを知ることができます。
商品に関連する商品以外の話題もトップページから「買付日記」というリンクボタンをクリックすると、オーナーのアメリカ旅行記風のページが表示されます。一見商品とまったく関係ない話題のように思えますが、ここにもお店を信頼してもらうための演出が隠されています。
覚田さん:実際のお店で商品を買うときに、商品の解説をするよりも、かけ離れた話題、例えば、自分の趣味などについて話すほうが、商品が売れるといった話をよく聞きます。このWebショップのオーナーは旅行が好きで、何度もアメリカ旅行をするうちに、インディアンジュエリーに惹かれていきました。そこで、アメリカに買い付けにいったときの話題やおすすめの観光スポット情報などを話題の中心に据え、その中に商品の話題を盛り込んでいます。こうすることで、現地での買い付けの様子もよくわかるので、商品そのものに対する信用も上がります。
「おすすめ商品」の打ち出し 個人経営のお店では、扱う品数はさほど多くありません。しかし、ひとつひとつ商品にはオーナーの何かしらの思い入れがあるはずです。そこで、「今週のおすすめの一品」、「店主のおすすめ」のように、オーナーが感じた商品の魅力をアピールするような、「おすすめ商品」のコーナーを作るとよいでしょう。
覚田さん:この「おすすめ商品」のコーナーも随時更新し、バックナンバーとして蓄積していくことが大切です。例えば、昨日今日オープンしたばかりのWebショップは、実績がないので信用されにくいものです。しかし、「おすすめ商品」を定期的に更新し、かつそのバックナンバーを蓄積していけば、そのバックナンバーから、オーナーの商品に対するこだわりや定期的におすすめの商品が更新されるという新鮮さ、お店の実績(経歴)などがわかるようになります。さらには、「1年前ここでこんな商品を買ったのですが・・・」といったお客さんの問い合わせにもすぐ対応できます。アフターフォローにもつながる大切な要素です。
ポイント!
1.店主やスタッフの紹介をトップページに置き、信頼度向上を狙おう
2.ひとめでお店の考え方が伝わるようなわかりやすさを大切に
3.「おすすめ商品」で商品に対するオーナーの思い入れをアピールしよう
4.定期的な更新を欠かさずに、バックナンバーも蓄積しておこう
Case2 生鮮魚介類直販ショップコンセプト 食品を扱うWebショップのサンプルとして、魚介類の直販ショップを例にしました。漁港に近く、新鮮なカニが有名で、遠方からそれを目当てに訪れたり、おみやげに買って帰る人がたくさんいます。しかし、それほど頻繁には来られないので残念という声も多数聴かれました。そこで、遠方の人にも気軽においしくて新鮮なカニを食べてもらうため、Webショップを開店することにしました。しかし、食品店で重要な「試食」がインターネットではできません。そこで、いくつかWebショップならではの仕掛けを作りました。
覚田さん:実際の店舗にはお客さんが商品購入にいたるまでの流れがあります。商品を見てもらう。商品に魅力を感じてもらう。商品を欲しくなってもらう。
Webショップでもそれはまったく同じです。この一連の流れが提供できなければ、どんなにデザインがよくても商品は売れません。この例では、安価で買いやすい「お試しセット」を用意しました。まず試食してもらい、商品のよさ(ここではおいしさ)を知ってもらえば、お客さんの購買意欲をそそることができます。そしてさらにWebショップならではの仕掛けを作りました。
まずは宣伝・集客力Webショップでは、まずはお客さんにホームページに来てもらうことが必須です。たくさんの人にアクセスしてもらうための、宣伝活動が最重要課題となります。
覚田さん:Webショップを開店するときは、ついデザインに凝りがちです。ところが、残念なことにデザインの良さだけでは、ホームページへの最初のアクセス数を増やすことはできません。
デザインの良し悪しは、実際にホームページに来てみないとわからないからです。しかし、一度もホームページを訪れたことのない人でも、バナー広告やリンクをクリックして来るということがあります。この偶然に近いアクセスをより確実なものにするため、プレゼントを用意し、プレゼントページリンク集などに登録することで集客を狙うという方法があります。大切なのは、プレゼント品は自分のお店で扱っている商品にすること。こうすることで、商品に興味のある人を集めることができ、結果的に高い効果が得られます。
試食やお試しセットを用意するWebショップの弱いところは、実際に見たり触ったりして材質や質感を確かめることができない、という点です。食品の場合は、味見をできないという弱点を「お試しセット」でカバーします。それが本命の商品購入へ結びつくというケースが増えています。
覚田さん:一般にカニは高いというイメージがありますが、おいしさに満足できれば、高くてもお客さんはお金を払います。ですから、味に自信があるなら「おいしい」ということを知ってもらうことが必要です。まずはお客さんに試食してもらうといいでしょう。この例では、格安な値段で「お試しセット」を用意しました。実際に、このようなお試しセットを導入したことで売り上げを出している通販会社もあります。
さらに、すでに試食した人や購入した人から感想のメールを送ってもらい、ページ上で公開するというのも一案です。商品に対する信頼性の向上につながります。
インターネツトならではのお買い得品を用意宣伝効果で集客力も高まってきたら、次は試食品以外の商品購人に踏み切らせるための付加価値について考えてみましょう。
覚田さん:「欲しい」だけでは「買う」までにはいたりません。わざわざインターネットで買う必要性はどこにあるのか、あるいは、今買わなければならない必然性はどこにあるのかを考えてください。例えば、Webショップだけにしかないサービスです。
例では付加価値として「カニスプーン」というおまけを、インターネットで申し込んだ人だけにつけることにしました。また、毎月先着何名様にプレゼントというように限定しました。
さらに、インターネットでしか買えないオリジナル商品を用意するのがポイントです。例えば、ちょっとしたキズがある商品などは、味や品質にはまったく問題がなくても店頭では販売できません。これを「家庭向けお買い得商品」として、インターネットだけで格安販売するといったものです。贈答品などに使えなくても安く買うことが出来れば、Webショップで「買うメリット」が出てくるのです。
ポイント!
1.ホームページに来てもらうため、プレゼント企画で宣伝しよう
2.商品の良さを知ってもらうために「おためしセット」を用意しよう
3.試した人、あるいは購入した人の声で購買意欲をそそらせよう
4.付加価値や限定販売などで、インターネットならではの商品を企画しようディレクション:株式会社ペンシル 覚田義明氏
デザイン:株式会社インク 生沼 聡氏